社会の窓際から

暇を謳歌したい。

子供の大半はファッションアイテム

 かつてインドをぶらつていた際に多くの物乞いの人を目にすることがあったのだけれど、そこでびっくらこいたのは、物乞いの人々がきっちりと子供を作っているということだ。

 

 路上には老若男女の物乞いがいて、障害者の物乞いも病人の物乞いもいて、貧困やカーストが惜しみなく前面に吹き出している。日本では考えられないほどの過酷な生活を強いられているのだけれど、そのような環境の中でも彼らは子供を作り、育てていた。

 

 その時に、激烈な状況にあるにもかかわらず、彼らは何を思って子供を生もうと思ったのかしらん、と思った。

 

 仮におれが路上生活者として生まれてきた場合、出身カーストのせいで路上生活を一生強いられる宿命にある場合、子供を過酷で絶望的な状況に放り込みたくないから子供なんて作らへんど、という風に考えてしまうのだけれど、そうはなっていないのだから、やっぱ世界は多様でおもろいなー、インドっておもろいなー、となるのだけれど、深淵なインドのことはようわからんとして、んじゃあ、日本人が子供を作りたいと思った場合、何を思って子供を作りたいのかしらん、と考えてみると、ファッションとしてアクセサリー感覚で子供を作っているのが大半だろうと思われる。性欲が制御できず、その結果として生まれた場合を除けば、子供を作るモチベーションは以下のようになると考えられる。

 

 世間体のために子供を作る。

 アクセサリーとして子供を作る。

 将来の金づるとして子供を作る。

 介護または看病用に子供を作る。

 店や事業等の後継ぎとして子供を作る。

 空疎な日々に意味を見出すために子供を作る。

 相手を自分のものにするための鎹(かすがい)として子供を作る。

 親に孫の顔を見せてあげたいからというプレゼント感覚で子供を作る。

 何となく気分転換として作る。

 

 他にも何か打算的な理由はあるかしらん。

 

 子供を欲しがっている友人がいて、その友人に、どうして子供が欲しいのか、と聞くと、可愛いから、という ペラペラの答えが返ってきたが、そういう人間はアクセサリーとして子供が欲しいだけだ。インスタ映えもいいからな、子供は。可愛いし、楽しいし。しかし、きゃつらは子供が永遠に幼児であり続けるという幻想の中にいて、思考停止状態にあり、諸行無常の力によって何人も醜悪な存在になっていくという現実を見据えていないという点でバーローである。

 

 子供が生まれてくるきっかけは大きく分けて二つある。

 

 一つは意図的ではない妊娠。

 もう一つは意図的な妊娠。

 

  意図的ではない妊娠、つまり性暴力の結果であったり、遊び心が高じての妊娠、すなわち一部のでき婚のケースがそれにあたるのだけれど、世間ではそういった子供を作るつもりは一切なかったにも関わらず妊娠してしまい、出産に至ったケースをどことなく見下すというか、憐れむというか、近所のばばあ共の格好の標的というか、そういう感じのニュアンス的な態度を示すことがあるが、ここには上に挙げたあからさまな打算がない、自己都合的な手段として子供を作るという醜悪な意図がない。そういう意味で清廉とも言える。

 

 一方で意図的な妊娠。これは、よーし、婚姻届けも出したし、これから子供作るどぉー、やったるどぉー、と意気揚々と体内受精、あるいは体外受精に励むケースなのだけれど、ここには必ず子供に対する何らかの打算がある。上記のような浅い理由であれ、深い理由であれ(深い理由って何や)、必ず何らかの打算があり、何らかの利益に対する期待がある。子供が欲しいと思っている人は、なぜ欲しいのか自問自答してみて欲しい。必ず自己中心的な理由に辿り着くと思う。そういった打算があるという意味で意図的な妊娠は醜悪であると言える。かくいうおれも間違いなく両親の気まぐれ、世間体のためかアクセサリー感覚でこの世に生を受け、この諸行無常が支配する不条理極まりない世界にぽーんと放り込まれてしまった。

 

 意図的でなく打算的でない妊娠であろうと、意図的で打算的な妊娠であろうと、それは子作りをする親側の問題だが、生まれてきた子供からすれば、どちらもゴミのようなきっかけに過ぎない。「母さんねー、よくわからない男にちょっくら乱暴されちゃってぇー、つまりね、あんたは意図的でない妊娠の結果生まれたのよ」と言われた子供はマンマ・ミーアと言うしかないだろうし、「父さんたちはね、世間体を保つために打算的な理由でお前を作ろうとセクロスに励んだのさ」と言われた子供はオー・マイ・ガッと言うしかなかろうもん。

 

 たとえ親のファッションアイテムとしてエアマックス感覚で生を受けたからといって、おれは悲嘆に暮れているわけでは一切なく、矮小なきっかけでこの不条理で不平等で理不尽な世界に放り込まれ、ぐわんぐわんに振り回され、そして死んでいくという、この流れ。この流れっておもろいなー、と思った。ただそれだけなのであーる。

 

P.S.

今日の一曲